やれやれ、モノ扱いの労働で、私は現在、壊れた部品のようになりました。腰と足と精神を破壊されました。働きたくてもどこも雇ってもらえません。それはさておき、若者を蟹工船に乗せろという人が、いるそうですね。上等だ!私を蟹工船に乗せてみろ!現代の劣悪な雇用の実態に比べたらいいほうだ。闘いたい時、他人事と思わず一緒になって立ち上がる仲間が大勢いるからだ。蟹工船でも雇って貰えるだけいいほうだ。今、糞紙のように使いものにならない体になってしまった。そんな意味で蟹工船からすら閉め出されてしまった。…かえっていいのか。日本が、世界が、現代が蟹工船化してしまっているとは、よくいうが、まさにそのとおりだ。決して、誰一人、「蟹工船で描かれたものは自分には関係ない、だって努力が報われたんだも〜ん」なんて、今はいってられても、そのうち、いえなくなり、蟹工船に共感できなくてもできる時がくる。そうならない方が幸せでしょうが。色んな小説を読んできたが、こんなにも賛否が分割され、売れ、ブームになり、たった一人にでも励ましを与えたというだけでも、激しい怨恨、僻みなどむき出しにしてこられることなんてなかった。それだけの力が作品にあるってことです。
こんな時代だから、再読されるようになっているのでしょうか?
時代背景を頭に入れておかないと、わからないところがあるかも
知れません。
読みやすい内容だとは思うのですが、主人公がはっきりと定義されない
(誰だかわかりにくい)ことや、どこか宣伝(プロパガンダ)の匂いが文章
から漂ってくるところは、やはり作品の書かれた背景をよく知っておく必要
はあると思います。
あの時代ということを考慮して読む必要はあるとおもいます。
最近、本書がブームになっていると聞いたので、数十年ぶりに
購入して再読した。
なるほど、現代社会が発する腐臭に、新鮮な空気を入れるには
向いているかも知れない。ただ、その新鮮と感じる傾向も長続きは
しないであろう。このブームに乗って資本論をも売り出そうとする
出版社の商魂には感心するが、これは読者に無用の投資を勧誘する
だけのことだ。
解説で、蔵原惟人は本書を「民主主義文学」だというが、今だに
そういう幻想を持っている人物がいるというのも、それはそれで
興味深い。だが、共産主義者の言う民主主義というのは、言葉の
遊び、欺瞞以上の何者でもない。現実は一党独裁そのものである。
まあ、そういう堅いことは抜きにして、本書自体は、現代の熟れた
社会にいる人間にとっては、まさに瑞々しさ、あるいは物珍しさを
感じさせるに十分であり、本書がブームになっていると言うことは、
なるほど納得がいくことである。
突然のブームに乗って読んでみたが、正直、呆れた。あまりにも単純な話なのだ。
労働環境の悲惨さの描写は良いと思う。これはルポルタージュ的な価値があっただろう。しかし物語自体は、呆れるほど単純な勧善懲悪である。悪党はひたすら悪く、弱者はひたすら善で、労働者間の裏切りのようなテーマさえない。薄っぺらとしか言いようがない。
これが若者に受けるのは、敵をやっつけるテレビゲームと同じだからだ。悲惨な労働環境には共感できるし、テレビゲーム感覚の勧善懲悪の単純な話だから、物語にも入り込めるわけだ。
しかし物語の本当の結末は、最後の「附記」に「この後のこと」として書かれている:
「漁期が終って、函館へ帰港したとき、「サボ」をやったりストライキをやった船は、博光丸だけではなかったこと。二、三の船から「赤化宣伝」のパンフレットが出たこと。」
何のことはない、悲惨な労働環境につけこんで、共産党のオルグが成功しただけなのである。
その共産党の支配下で、いかに労働貴族が生まれ、自由が剥奪されたかという「この後」のさらに「後」を知っている人間は、こういうお話を読んでも、呆れてため息をつくばかりである。
共産党の入党者が増えているのだという。それでは支配者の顔が変わるだけだろう。所詮、大衆は支配されたがっているヒツジなのか。あるいは「支配されたい」というよりも「面倒見てもらいたい」のかな(笑)。これじゃ共産党も大変だな。まったく世も末だが、まあ、マルクスも言ったとおり歴史は繰り返すのかもしれない。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として。
蟹工船は違和感なく読めたし、共感するところも多分にあったが、党生活者はかなり違和感を感じた。
彼は何のために活動をしているのか?
共産主義は手放しで歓迎されるものなのか?
彼らのゲリラ戦は正当な方法なのか?
資本主義が労働者の「最低限」の生活を支えているのに対し、
党の戦士は日々の食事にも交通費にも不自由している。
党は本当に責任ある態度をとっているといえるのか?
とは言ってもこれらは時代背景を考えると致し方ないのかもしれない。
しかし、党活動をしていない女性と、カモフラージュのために籍を入れ、
しばらくは彼女に養ってもらい、
彼女がその党活動の巻き添えで職を失ったら、ほかの所へ無理やり就職させ、
金と食事を無心し…
他にも人として、他人に強いるべきでないと思う仕打ちがいろいろ出てくる。
この党生活者には共感できない。
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